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ピーマンを食べて体力回復! ビタミンCやβ-カロテンが豊富に

ピーマンを食べて体力回復! ビタミンCやβ-カロテンが豊富に

ほろ苦いけれど、同時に甘さも感じられる野菜、それがピーマンです。ピーマンはナス科でとうがらしの甘味種として知られ、日本には明治時代初期にアメリカから持ち込まれたとされています。私たちがよく食べている緑色のピーマン(青ピーマン)は完熟する前に収穫した未熟な状態のもので、ピーマンは完熟すると赤色になるんです。ピーマンの栄養価は高く、特にビタミンCが豊富。夏の暑さで疲れた体を回復させる効果があるともいわれるピーマンの栄養素、そしておすすめの食べ方などをご紹介します。

 

  1. ピーマンの栄養素と効力とは?
  2. 青ピーマンと赤ピーマン、何が違う?
  3. ピーマンのタネやワタは害があるの?
  4. ピーマンのおすすめ調理法3選
  5. ピーマンを用いたおすすめレシピ
  6. ピーマンで夏バテを解消しよう

 

ピーマンの栄養素と効力とは?

ピーマンはとうがらしの仲間で、辛みが少なくて楕円形のものを指します。ビタミンCやβ-カロテン、ビタミンE、カリウムなど栄養素を多く含んでいるのがピーマンの特徴です。

栄養素と効果1「ビタミンC」

ピーマンは栄養豊富な野菜ですが、特にビタミンCを多く含んでいます。可食部100gあたりでピーマンはビタミンCを76mg含んでいます。これは赤色トマト(15mg)の約5倍で、オレンジネーブル(60mg)よりも多い数値となります。 ビタミンCはコラーゲンの合成にかかわる栄養素で、抗酸化作用をもつことから、老化や動脈硬化などを抑える効果が期待されています。

栄養素と効果2「β-カロテン」

β-カロテンが多いのもピーマンの特徴です。β-カロテンは、体内でビタミンAに変わるプロビタミンAの一種。β-カロテンをはじめとするカロテノイド(天然色素)には活性酸素を抑える抗酸化作用があるとされています。ピーマンは先に述べたようにビタミンCも豊富なため、β-カロテンとあいまって老化の防止や免疫力の向上に効果があるといわれています。

栄養素と効果3「ビタミンE α-トコフェロール」

食品に含まれるビタミンEの成分のうち、基準となるのがα-トコフェロールです。ピーマンはこのα-トコフェロールも多く含んでいます。ビタミンEは肝臓や心筋、脂肪細胞、血液などに蓄えられていて、体内の脂質が酸化することを防ぎ、細胞を維持する働きを担っています。つまり、ピーマンは強い抗酸化作用をもつα-トコフェロールも有しているのです。

栄養素と効果4「葉酸」

ピーマンはビタミンB群の一つである葉酸も適度に含んでいます。緑黄色野菜に多く含まれている葉酸は、細胞の遺伝物資であるDNAの合成にかかわる酵素を助ける働きがあり、また造血機能にも携わっています。また、葉酸は細胞の成熟や分裂にもかかわることから、妊娠の可能性がある人や妊娠中の人は不足しないようにすることが必要とされています。

栄養素と効果5「カリウム」

体を構成する成分として重要な役割を担うミネラル。ピーマンはミネラルのなかでカリウムを多く含んでいます。カリウムはナトリウムとともにバランスを取り合い、細胞内液の量や浸透圧を調節し、また血液の循環量を維持しています。また、血圧を下げる働きもあるため、カリウムをきちんと摂取することで高血圧を防ぐ効果が期待されています。

栄養素と効果6「食物繊維」

近年、「第六の栄養素」としてその重要性が見直されているのが食物繊維。ピーマンは食物繊維もきちんと含んでいます。青ピーマンの可食部100gあたりの食物繊維は2.3g。そのうち、水溶性食物繊維が0.6g、不溶性食物繊維が1.7gとなっています(プロスキー変法)。水に溶けやすい水溶性食物繊維は、小腸における栄養素の吸収を緩やかにするほか、食後に上昇する血糖値を抑える働きがあります。また、水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸って便を大きくするため、大腸が刺激を受けてスムーズな排便を促します。

 

食品名 エネルギー 水分 食物繊維
総量
カリウム β-カロテン
当量
ビタミンE
α-トコフェロール
葉酸 ビタミンC 備考
kcal g g mg μg mg μg mg
青ピーマン 果実 生 20 93.4 2.3 190 400 0.8 26 76 廃棄部位:へた、しんおよび種子
1個=30g見当
青ピーマン 果実 油いため 54 89.0 2.4 200 420 0.9 27 79 へた、しんおよび種子を除いたもの。植物油(調合油)
赤ピーマン(パプリカ) 果実
28 91.1 1.6 210 1100 4.3 68 170 廃棄部位:へた、しんおよび種子
1個=150g見当
赤ピーマン(パプリカ) 果実
油いため
69 86.6 1.6 220 1100 4.4 71 180 へた、しんおよび種子を除いたもの。植物油(調合油)

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(食物繊維はプロスキー変法またはAOAC.2011.25法)

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青ピーマンと赤ピーマン、何が違う?

ピーマンを未熟なうちに採ったものが、広く食べられている緑色の「青ピーマン」です。それを熟すまで置いておくと赤色の「赤ピーマン」になります。完熟させた赤ピーマンは甘みが増すとともに、ビタミンCとβ-カロテンの量が増えるんです。 ただし、ピーマンを完熟させるにはかなりの時間を要すること、売り場に並ぶまでに傷みやすいことなどから、赤いピーマンは緑色のピーマンほど流通していません。家庭菜園を楽しむ人のなかには、ピーマンを全部とらずに一部を完熟させ、赤ピーマンとして食べる人もいます。ちょっとうらやましいですよね。 また、ピーマンによく似た野菜に「パプリカ」があります。100g以上あるような大型でカラフルなピーマンを指します。ピーマンと同じようにパプリカもとうがらしを品種改良したものですが、品種は別です。パプリカはピーマンより肉厚で甘みが強く、生食できるように改良されました。未熟なときはピーマンと同様に緑色ですが、完熟すると赤色や黄色、オレンジ色など鮮やかな色を帯びます。ピーマンのような青臭さや苦みが薄いので食べやすいとされています。

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ピーマンのタネやワタは害があるの?

ピーマンを調理する際はタネ、そしてタネがくっついているふわふわした部分(ワタ)を捨てているという人、ちょっと待ってください! 実は、ピーマンのタネとワタには「ピラジン」という成分が多く含まれているんです。ピラジンは血液のなかの脂肪分やコレステロールが増えることなどでできる血栓を防ぐ効果があるといわれています。さらに、血液をサラサラにすることも期待されているので、タネやワタもできれば一緒に摂るようにしましょう。

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ピーマンのおすすめ調理法3選

ビタミンCをはじめ、栄養たっぷりのピーマンをおいしく、効率よく食べるにはどのように調理すればよいのでしょうか? 3つのコツをお伝えしますね。

おすすめの調理法1「油で炒める」

ピーマンは、体のなかでビタミンAに変わるプロビタミンAのβ-カロテン、そしてビタミンEの成分の一つであるα-トコフェロールを多く含んでいます。これらは油脂に溶けやすい脂溶性のビタミンなので、ピーマンを中華風の炒めものにするなど油を用いるとさらに吸収しやすくなります。ただし、加熱しすぎると栄養価が損なわれるので強火でサッと調理してくださいね。

おすすめの調理法2「肉と調理する」

上で述べたように、脂溶性ビタミンは肉を用いた調理とも相性がよいです。例えばピーマンの代表的な料理「ピーマンの肉詰め」。β-カロテンとα-トコフェロールが吸収しやすいうえ、血液をサラサラにするといわれるピラジンを多く含むタネとワタを残して肉だねを詰めることもできますので、一石二鳥ですよ。

おすすめの調理法3「切り方を工夫する」

ピーマン特有の苦みや青臭さが好きな人もいれば、ちょっと苦手な人もいます。特に子どもは苦みが苦手。しかし、その苦みは切り方で和らげることができるのです。それは、ピーマンの繊維が上部(へた)から下部(尻)にかけて走っているから。ピーマンの繊維を断ち切るように横に切る(輪切り)よりも、縦に切った方が苦みや青臭さを軽減できますよ。

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ピーマンを用いたおすすめレシピ

実際にピーマンを油で炒めたり、肉と調理したり、タネやワタを取らずにピーマンを丸ごと使ったりするレシピを3つご紹介します。ぜひ試してみてください!

 

レシピ1:
ピーマンとなすの鶏肉旨みそ炒め

材料(2人分):

鶏もも肉:280g(カット済)
ピーマン:4個
なす:1本
ごま油:大さじ1

〈A〉
ミツカン:カンタン酢 大さじ3
みそ:大さじ1
おろしにんにく:大さじ1/2
白ごま:大さじ2

作り方:

1. ピーマンとなすは一口大の乱切りにする。〈A〉を合わせる
2. フライパンにごま油を中火で熱し、鶏もも肉の皮面を下にして並べ、片面に焼き色がついたら上下を返し、両面を香ばしく焼く。なす、ピーマンを加え炒め合わせる
3. 〈A〉、白ごまを加えて、汁けをとばすように炒める

レシピの詳細はこちら!

レシピ2:
レンジでカンタン!ピーマンの肉詰め 甘酢風味

材料(4人分):

合びき肉:200g
〈A〉
たまねぎ:(みじん切り) 大さじ4
おろしにんにく:小さじ1
しょうゆ:大さじ1
ごま油:大さじ1

ピーマン:4個
〈調味料〉
ミツカン:カンタン酢 1カップ
しょうゆ:大さじ1

作り方:

1. ピーマンは頭の部分を切り落とし、タネを取り除く
2. 合いびき肉と〈A〉をよく混ぜて、1の中に詰める
3. 2を耐熱皿に並べ、〈調味料〉を加え、ふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で4~5分加熱する
4. ピーマンの上下を返し、さらにふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で4~5分加熱する

※電子レンジの加熱時間は目安ですので、その都度調整してください

レシピの詳細はこちら!

レシピ3:
レンジで!丸ごとピーマンの肉巻き

材料(2人分):

豚肉:薄切り 8枚(160g)
ピーマン:8個
ごま油:大さじ1
〈お好みのぽん酢〉
ミツカン 味ぽん 適量
または
ミツカン 味ぽんMILD 適量
または
ミツカン 味ぽんうまピリ 適量
粗挽き黒こしょう 適宜

作り方:

1. ピーマンは、手の平でつぶし、豚肉を巻き、軽くにぎる
2. 巻き終わりを下にして耐熱容器に入れ、ごま油を回しかける。ふんわりとラップをし、電子レンジ(600w)で6分加熱する
3. 〈お好みのぽん酢〉と、お好みで粗挽き黒こしょうをかける

※豚肉は肩ロースやバラなどがオススメです
※電子レンジの加熱時間は目安ですので、その都度調整してください

レシピの詳細はこちら!

 

 

 

 

ピーマンで夏バテを解消しよう

品種にもよりますが、とれたての新鮮なピーマンを上手に焼くと甘さが増します。ピーマンを選ぶ際にはつやと張りがあって、「肩」と呼ばれるへたの周囲が盛り上がっている色鮮やかなものを選びましょう。また、へたの切り口が変色していないものほど新鮮とされています。一方、パプリカは苦みが少ないうえ生でも食べられますので、ピーマンが苦手な人はパプリカを試す手もありますね。 ピーマンをしっかり食べて、夏バテした体を回復させましょう!

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<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書物等の一覧>

【A】高橋浩昭著『自然農の野菜づくり』(創森社 2010)

【B】JAグループWeb「とれたて大百科(ピーマン)」

【C】池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』(NHK出版 2018)

【D】吉田企世子監修『旬の野菜の栄養事典――春夏秋冬おいしいクスリ』(エクスナレッジ 2016)

【E】五関正江監修『ビタミン・ミネラルがよくわかる本――上手にとって健康に!』(つちや書店 2023)

【F】公益財団法人 長寿科学振興財団Web「健康長寿ネット(食物繊維の働きと1日の摂取量)」

【G】農林水産省Web「パプリカとピーマンの違いについて教えてください」

【H】JAグループWeb「とれたて大百科(パプリカ)」

【I】独立行政法人農畜産業振興機構Web「今月の野菜/ピーマン」2013年9月

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