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カリウムってどう摂るのが正解?働きや役割、適正な摂取量について解説

カリウムってどう摂るのが正解?働きや役割、適正な摂取量について解説

みなさんにとって、カリウムってどんな存在でしょう?「名前は聞いたことがあるけど、イマイチどんな栄養素かわからない」という方、少なくないのではないでしょうか?
そんなカリウムについて、働きや役割、摂取のポイントについてご紹介していきましょう。

 

  1. カリウムの働き・役割とは?
  2. カリウムを摂り過ぎることによる影響
  3. カリウムの量が少ない食品、多い食品
  4. カリウムの摂取量を減らす方法とは?
  5. お答えします!食にまつわるカリウム関係のよくある質問
  6. まとめ

 

カリウムの働き・役割とは?

細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きをしてくれると言われているミネラルの1つ、カリウム。ナトリウムを体外に排出する作用を持ち、塩分摂取量の調節に役立つと考えられています。また、神経の興奮性や筋肉の収縮、体液のpHバランスを保つ役割もあることがわかっています。
不足すると、このような働きが低下することに加えて、脱力感、食欲不振、筋力低下、精神障害、不整脈などの原因になると考えられています。しかし、健康な状態にあれば、下痢や多量の発汗、利尿剤服用などをしていなければ、不足することはほぼないことがわかっています。

【A】【B】

 

 

 

 

カリウムを摂り過ぎることによる影響

カリウムは多くの食品に含まれていますが、大量に摂取した場合には体内の調整機構が働くため、摂り過ぎになることはごく稀だといわれています。ただし、腎機能が低下している場合、カリウムの体外への排出量が減少するため、体内のカリウムが過剰になることがわかっています。筋力低下や麻痺などの神経症状、心室細動などの不整脈の原因にもなるため、注意が必要です。

【C】

 

カリウムの量が少ない食品、多い食品

カリウムがあまり含まれていない食品を、下表にまとめました。100gあたりの含有量なので、食品により見た目の量が異なる点に注意しつつ、参考にしてみてくださいね。

 

食品 食品100gあたりのカリウムの量(mg)
はるさめ ゆで 2
ところてん 2
凍り豆腐 水煮 3
そうめん・ひやむぎ ゆで 5
うどん ゆで 9
あさり缶詰 水煮 9
わらび ゆで 10
しらたき 12
油揚げ(油抜き) ゆで 12
マカロニ・スパゲッティ ゆで 14

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 - 文部科学省

カリウムが多い食品

肉や魚には、全般的にカリウムが多く含まれています。芋類や野菜も同様で、里芋、長芋、ブロッコリー、ほうれん草、にんじん、芽キャベツ、かぼちゃなどに特に多く含まれています。果物では、アボカド、バナナ、メロン、キウイなどに多く含まれています。 AJKD(American Journal of Kidney Diseases)というアメリカの腎臓専門誌によれば、腎機能が低下している人がカリウム摂取を抑えるための食事制限を始める方法として、「野菜ジュース・ソースなどの液体」「芋類」「ドライフルーツ」「バナナ」の4種の食品をまずは控えることが推奨されています。

【D】【E】

 

 

 

 

カリウムの摂取量を減らす方法とは?

必要な栄養素を摂取しながら、カリウムの摂取量を適正値まで減らすには、どうしたらいいのでしょう? 3つの方法をご紹介します。

カリウムが多い食品を控える

前述の、カリウムが多い食品を控えることが、最もシンプルで直接的な方法といえるでしょう。食品ごとの成分を調べることができる「食品データベース(文部科学省)」なども活用してみてはいかがでしょうか?

流水にさらす

カリウムは水に溶ける性質を持っているため、野菜などは小さめに切って流水にさらすことで、含まれるカリウムの量を減らすことができます。

ゆでる

こちらも、カリウムの水に溶ける性質を利用した方法です。茹でた後にしっかりと水気を切る、水分を含みやすい食品の場合はしっかりと絞ることで、カリウムの摂取量を少なくすることができるでしょう。

 

お答えします!食にまつわるカリウム関係のよくある質問

食品とカリウムの関係について、疑問に思われることが多い点について、回答と合わせてご紹介していきます。

腎機能が低下したら、必ずカリウム摂取は減らすべき?

症状が軽い場合は、必ずしもカリウム摂取量を減らす必要はないと考えられています。

カリウム以外に、腎機能低下時に摂らない方がいいものは?

症状にもよりますが、腎機能が低下した場合には、カリウムだけではなく総合的な食事制限が必要になるといわれています。ただし、制限方法によっては逆に症状を悪化させてしまう場合もあるので、医療機関の指導のもと行うことが大変重要です。

【F】

 

 

 

 

まとめ

「ミネラル」「栄養素」と聞くと、たっぷり摂ればいいと思いがちですが、一人ひとりの体の状態によって適正な摂取量があるんですね。気がつかずにカリウムを過剰に摂取していた、ということにならないよう、健康診断など定期的な健康状態チェックを続けていきましょう。

 

 

<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書物等の一覧>

【A】カリウム – 健康づくりサポートネット - 厚生労働省

【B】日本人の食事摂取基準(2025年版) - 厚生労働省

【C】遠藤 慶太、北村 浩一、鈴木 利彦:高カリウム血症 日本内科学会雑誌 111巻 5号

【D】日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 - 文部科学省

【E】Shivam Joshi, Michelle McMacken, Kamyar Kalantar-Zadeh:Plant-Based Diets for Kidney Disease: A Guide for Clinicians

【F】慢性腎臓病の食事療法 東京女子医科大学病院 腎臓病総合医療センターwebサイト

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