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睡眠の質を高める方法とは? 生活習慣や眠りのサイクルを解説

睡眠の質を高める方法とは? 生活習慣や眠りのサイクルを解説

毎日規則正しい生活を送って、夜もしっかり眠る……。なかなかできないことかもしれません。しかし、睡眠は健康を維持するためにとても大事なものです。ここでは、睡眠の「質」を高める方法について考えてみます。

 

  1. よい睡眠は「量」と「質」から
  2. 睡眠の質を高める方法とは?
  3. 睡眠の質にかかわるQ&A
  4. 質のよい睡眠は生活習慣から

 

よい睡眠は「量」と「質」から

睡眠は、健康でありつづけるために欠かせない「休養活動」と位置づけられています。睡眠をきちんととれなければ、さまざまな疾患に関する発症リスクが高まるからです。
しかし、人によって必要とする睡眠時間には差があり、また歳を重ねると変化していきます。睡眠時間が睡眠の「量」を表すものであるとすれば、朝起きたときに「しっかり休養がとれた」と感じられる休養感があるかどうかが睡眠の「質」にあたります。量と質、その両方が揃わなければよい睡眠とはいえないのです。

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ひと晩に起きる眠りのサイクル

睡眠時における眠りの深さは、一定ではありません。深い眠りと浅い眠りがあり、およそ90分で一つのサイクルを形成しています。私たちはその眠りのサイクルをひと晩に4回から5回繰り返しているというわけです。
眠りについた直後がもっとも深い睡眠となり、朝方に近づくにつれ段々と浅い眠りが増えていきます。眠りには「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があり、ノンレム睡眠は安定的に深く眠っている状態で、レム睡眠は覚醒時に近いような浅い眠りを指します。朝方はレム睡眠の時間が長くなるため、見た夢をよく覚えているのですが、実はノンレム睡眠中にも夢は見ているそうです。

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睡眠の質を高める方法とは?

睡眠の質を高めるには、いくつものポイントがあります。睡眠時間をしっかり確保するのはもちろんのこと、寝る前の準備や眠るための環境なども重要です。ポイントをいくつかご紹介しますので、ご自身の生活習慣を見直してくださいね。

6時間以上は眠るようにする

ひと晩にどれくらい眠ればよいのかは個人差があるものの、おおむね6時間以上眠ることが目安となります。睡眠時間が短いと、肥満や高血圧、糖尿病などさまざまな疾病の発症リスクが高まるといわれています。
ただし、高齢者が長時間眠ることは逆に健康リスクがあるともされています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、高齢者の場合は「床上時間が8時間以上にならないことを目安に」睡眠時間を確保することが推奨されています。

適度に体を動かす

日中に適度な運動習慣を身につけることも質の高い睡眠につながります。これは、体を動かして疲れた体を回復させるのが睡眠の一つの役目であるからです。運動習慣がない人は、睡眠によって休養がとれたと感じる頻度が低いそうです。昼間にしっかり体を動かすことで、寝つきがよくなり、睡眠途中で目が覚める頻度も減ることから、結果的に睡眠の質を高める効果があるとされています。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、そして筋力トレーニングでも効果があるそうです。

朝ごはんをしっかり食べる

朝起きたあとにカーテンを開けて太陽の光を浴びること。それは体内時計をリセットするので体によいとされていますが、朝ごはんをしっかり摂ることもまた体内時計の調整に有効といわれています。実際に朝ごはんを1週間ほど抜いた場合、体内時計が後ろにずれてしまう現象が報告されているそうです。体内時計がずれると寝つきが悪くなり、結果的に睡眠不足となってしまう恐れがありますので、毎日しっかり朝ごはんを食べるように心がけましょう。

夕方からの飲みものに気をつけて

食後あるいは午後の休憩時にコーヒーを飲む人は多いと思います。カフェインには頭をすっきりさせる覚醒作用があるため、仕事に行き詰まったときや気分転換などに好まれますが、カフェインを摂りすぎたり、遅い時間に摂ったりすることで睡眠の質を下げてしまう危険性があるそうなので注意が必要です。
カフェイン摂取量の目安としては、1日にコーヒーを700㏄(カフェイン400mg)以上飲むと、眠りによくない影響を与えるといわれています。コーヒーだけでなく緑茶や紅茶、せん茶、ウーロン茶などもカフェインを含んでいますので飲みすぎないように、そして夕方以降はできるだけ飲用を避けた方がよいでしょう。

眠る前にスマホは使わない

さまざまな生物の生体リズムを調節しているのが、脳の松果体から分泌されるホルモン「メラトニン」です。メラトニンは睡眠を促すため睡眠ホルモンとも呼ばれています。このメラトニンは就寝のおよそ2時間前から分泌が始まるのですが、スマートフォンやタブレット端末、照明器具などから強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑えられるため、入眠の妨げになるとされています。
寝る間際までスマートフォンを操作するなど夜に光を浴びると睡眠障害を起こしかねないため、スマートフォンを寝室に持ち込むのは避けましょう。そして、寝室の照明もできるだけ暗くして、静かな環境で眠ることがよいとされています。

就寝前に体を温める

夜、寝つきをよくするためには脳を興奮させないことも有効な手段の一つです。スマートフォンを寝室に持ち込まないのもその一環です。そして、できれば就寝の1時間前には仕事や家事などをやめてリラックスする時間をもちましょう。
また、眠る前にぬるめの湯船に浸かることもおすすめです。体を温めると血行がよくなるほか、副交感神経が優位となるためリラックス効果が期待できます。就寝前の入浴によって寝つきがよくなったという報告もあるそうです。

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睡眠の質にかかわるQ&A

Q)仕事帰りにジムで運動しても大丈夫?

A)時間帯にもよります。就寝する1時間以内に激しい運動は避けた方がよいといわれていますので、ジムに行くならば就寝する4時間前、遅くとも2時間前には運動を終え、さらにリラックスする時間を設けるようにしてください。

 

Q)取引先とお酒を飲む機会が多いのですが、睡眠にはよくない?

A)体質にもよりますが、少量の飲酒ならばそれほど問題ないといわれています。ただし、酒量が多いと質の高い睡眠はとりにくいようです。さらに、年齢を重ねるとアルコール代謝能力が落ちるので注意してください。

 

Q)スマートフォンとパソコン、影響が強いのは?

A)画面表示の設定によって異なりますが、スマートフォンとパソコンならば、スマートフォンの方が至近距離で扱うため、浴びる光の量は多いと思います。

 

Q)自宅が幹線道路沿いにあるため、車の騒音やライトが気になります。どうしたらよい?

A)防音や遮光の機能をもつカーテンにかけ替えるのは効果的です。また、ふとんやベッドなど就寝位置を窓からできるだけ離すことで、睡眠の質が高まる可能性もあります。

 

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質のよい睡眠は生活習慣から

睡眠と聞くと、つい「眠った時間の長さ」にフォーカスしがちですが、睡眠は時間(量)だけでなく目覚めたときの休養感(質)も大事なんですね。たしかに「ああ、よく眠ったな!」とすっきり起きられた日はやる気に満ちて、仕事もスムーズに進む気がします。 皆さん、生活習慣全般を見直して、ぜひ質の高い睡眠をとるようにしてくださいね。

 

 

 

 

 

 

<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書物等の一覧>

【A】厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

【B】公益財団法人 大阪府保健医療財団 大阪がん循環器病予防センターWeb「生活習慣編|睡眠」

【C】一般社団法人 日本睡眠学会Web「睡眠の基礎|ノンレム睡眠とレム睡眠」

【D】厚生労働省「成人のためのGood Sleep(ぐっすり)ガイド―健康づくりのための睡眠ガイド2023―」

【E】厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「記事・用語辞典メニュー|メラトニン」

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