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実は栄養豊富! キャベツが含む栄養素と効率的な摂取方法とは?

実は栄養豊富! キャベツが含む栄養素と効率的な摂取方法とは?

定食屋でトンカツやアジフライなどの揚げ物を頼むと、よく添えられるのがキャベツの千切りです。また、旅行や出張などでホテルに泊まると、朝食会場には必ずと言ってよいほどキャベツの千切りがサラダコーナーに用意されていますよね。子どもたちが好むロールキャベツをはじめ、私たちの食生活にキャベツは欠かせません。キャベツが含む栄養素やその栄養素を効率よく摂取する方法などをご紹介します。

 

  1. 江戸末期に伝わったキャベツ
  2. キャベツに含まれる栄養素の種類とは?
  3. キャベツの栄養を無駄なく摂取する方法とは?
  4. キャベツを使ったおすすめレシピ
  5. いろいろな調理法でたくさん食べよう!

江戸末期に伝わったキャベツ

キャベツは身近な野菜ですが、その歴史は古く、古代ギリシャ時代から食されていたともいわれています。キャベツは地中海沿岸を原産地とするアブラナ科の植物で、もともとは丸くならないものでしたが、品種改良によって今のように結球する種が主流となりました。日本に伝わったのは江戸末期から明治初期です。
キャベツは四季を通じて入手できるイメージがありますが、実は産地や品種が少しずつ異なります。大まかに分けると、晩秋に種を蒔いて冬越しさせる「冬キャベツ」、標高が高く涼しい地域で栽培される「夏秋キャベツ」、春先に栽培をスタートする「春キャベツ」があります。

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キャベツに含まれる栄養素の種類とは?

キャベツは、特に千切りにすると色素が薄いですよね。だから、なんとなく栄養素が少ないように思うかもしれませんが、それは大間違い! キャベツはとても栄養豊富な野菜なんです。葉っぱはもちろん、芯の部分も栄養素を多く含んでいますよ。

キャベツの栄養素1「ビタミンU」

キャベツから発見された成分がビタミンUです。ビタミンUは「キャベジン」ともいわれているので、聞き覚えがあると思います。ビタミンUは胃酸の分泌を抑えるため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防する効果が期待される物質で、「ビタミン様物質」に含まれます。ビタミン様物質とは、ビタミンと似た働きをする成分のこと。体内でつくることができないビタミンに対して、ビタミン様物質は体内で合成することができるのでそう呼ばれています。

キャベツの栄養素2「ビタミンC」

ビタミンやミネラルなど栄養素を多く含むキャベツ。なかでもビタミンCは特に豊富で、キャベツの大きめの葉を2枚食べると1日に必要なビタミンCの摂取量を満たすといわれています。ビタミンCは人体の細胞と細胞をつなぐたんぱく質「コラーゲン」をつくるアミノ酸の生成にかかわっているほか、強い抗酸化作用があることでも知られています。ビタミンCは、キャベツの外側の葉、そして芯の周りに多く含まれているそうです。

キャベツの栄養素3「ビタミンK」

キャベツはビタミンKも相当量含んでいます。ビタミンKは血液を凝固する作用のある物質「血液凝固因子」がつくられる際に必要なため、止血のビタミンともいわれる成分です。また、カルシウムを骨に取り込む際にビタミンKは用いられることから、骨の形成にもかかわっています。

キャベツの栄養素4「葉酸」

ビタミンB群の一種である葉酸もキャベツは有しています。葉酸はその名が表すように緑黄色野菜に多く含まれる成分で、造血機能にかかわり、またDNAの合成を助ける働きがあります。胎児の脳や神経が発達する妊娠初期には特に葉酸が不足しないようにすることが大切だといわれています。

キャベツの栄養素5「β-カロテン」

キャベツはβ-カロテンも含んでいます。植物が含んでいるβ-カロテンを体内に摂り入れるとビタミンAに変換されるため、ビタミンA前駆体(プロビタミンA)と呼ばれていて、これはビタミンAの仲間とされています。カロテン類は抗酸化作用を有し、動脈硬化の予防効果などが期待される成分です。β-カロテンはキャベツの外側の葉に多く含まれています。

キャベツの栄養素6「食物繊維」

野菜のなかで特別多いわけではないものの、キャベツは食物繊維もしっかり摂れる食べものです。しかも、キャベツは生でも焼いても煮込んでも食べられます。言い換えれば調理の幅が広く、しかも一年通して入手できるため、摂取量をしっかりキープしやすいのです。食物繊維は「第六の栄養素」とも呼ばれるように、健康を維持するために大事な役割を担っています。低カロリーのため肥満を防ぐことから、生活習慣病の予防に効果があるといわれている食物繊維を、キャベツからもしっかり摂りたいものです。

キャベツの栄養素7「カルシウム」

「キャベツにカルシウム?」と意外に思うかもしれませんが、実はキャベツはカルシウムもしっかり含んでいるんです。カルシウムはミネラルのなかでもっとも多く体内に含まれていて、骨や歯の貴重な成分となります。キャベツはそのカルシウムに加えて、カリウムやリン、マグネシウムといったミネラルも豊富で、特に芯の部分に多いそうです。キャベツの芯はついつい捨ててしまいがちですが、見直したいものです。

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キャベツの栄養を無駄なく摂取する方法とは?

キャベツが多く含むビタミンU(キャベジン)、そしてビタミンCはいずれも水溶性です。そこで生で食べることが推奨されています。ところが、生だと量をたくさん食べられないので、焼いたり煮たりすることもオススメです。キャベツの調理のコツとメリットをいくつかご紹介しますね。

方法1「生で食べる」

前述したようにビタミンUやビタミンCは水に溶けやすいので、キャベツは千切りなど生で食べることがオススメです。ただし、ビタミンUもビタミンCも水にさらす時間が長くなればなるほど溶けだしてしまいますし、キャベツを切ってから空気に触れさせるのも避けた方がよいとされています。そこで保存する際は、1個丸ごとだったらビニール袋に入れる、カットしたものは空気が切り口に触れないようにラップをして野菜室に入れておくとよいでしょう。

方法2「スープで摂る」

ビタミンUやビタミンCが水に溶けやすいという性質を逆に利用して、スープに使うことで溶けだした汁ごといただくという方法も有効です。煮込んでも同じことが言えますので、ぜひ試してみてください。

方法3「強火で焼く」

キャベツが含むβ-カロテンは加熱しても安定しているため、キャベツを大きな鍋を用いて強火で焼くとビタミンCを閉じ込めることになり、成分を逃がしにくいといわれています。

方法4「芯も有効利用」

ビタミンCはキャベツの外葉にも芯にも多く含まれていますし、カルシウムやカリウムなどのミネラルは葉よりも芯の方により多く含まれているそうです。そこでつい捨ててしまいがちな芯も細かく刻んだり薄くそいだりして、できるだけ摂るようにしましょう・

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キャベツを使ったおすすめレシピ

レシピ1:
わかめと春キャベツのサラダ

わかめと春キャベツのサラダ

材料(2人分):

生わかめ:1/2カップ(25g)
春キャベツ:1/8個(100g)
新たまねぎ:1/4個
ちりめんじゃこ:小さじ2
ごま油:大さじ2
ミツカン 味ぽん:小さじ1
水:小さじ1

作り方:

1. 生わかめは食べやすい大きさにザク切りにする。春キャベツはせん切りにする。新たまねぎは薄切りにする
2. フライパンにごま油を熱し、ちりめんじゃこを炒める
3. 1を器に盛り、2をかける。「味ぽん」と水をあわせてその上にかける

レシピの詳細はこちら!

レシピ2:
春キャベツのちぎりナムル

春キャベツのちぎりナムル

材料(2人分):

春キャベツ:2枚(200g)
焼のり:全形1枚

<A>
ミツカン カンタン酢:大さじ4
ごま油:大さじ1
おろしにんにく:小さじ1/2
白ごま:小さじ1

作り方:

1. 春キャベツは一口大にちぎり、かたいところは取り除く。<A>とともにポリ袋に入れてよくもんで混ぜる
2. 焼のりは小さめに手でちぎる
3. 1の汁けを軽くきり2を混ぜ、器に盛る

レシピの詳細はこちら!

レシピ3:
キャベツとソーセージの酢ープ

キャベツとソーセージの酢ープ

材料(2人分):

キャベツ:120g
たまねぎ:1/4個
ソーセージ:2本
にんじん:20g
水:2カップ
コンソメ(顆粒):小さじ2
しょうゆ:小さじ1/3
バター:少々
ローリエ:1枚

作り方:

1. キャベツ、にんじんはせん切りにする。たまねぎは薄切りに、ソーセージは斜め切りにする
2. 鍋にバターを入れ、1を入れて炒める
3. 水とコンソメ(顆粒)、しょうゆ、ローリエを加え、10分ほど煮込む。最後に「リンゴ酢」を加える

レシピの詳細はこちら!

いろいろな調理法でたくさん食べよう!

私たちに身近なキャベツが、実は栄養素を豊富に含んでいることがおわかりいただけたと思います。天候に恵まれずキャベツが高値になったとき、とても困りましたよね。季節に応じていくつもの品種のキャベツを各地で生産する方々の努力があるからこそ、私たちは一年中キャベツが食べられるわけです。生食はもちろんのこと、今回ご紹介した栄養素を逃さないコツを意識しつつ、ぜひキャベツをたくさん食べてください。

 

 

 

 

 

<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書物等の一覧>

【A】JAグループWeb「とれたて大百科(キャベツ)」

【B】高橋浩昭著『自然農の野菜づくり』(創森社 2010)

【C】池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』(NHK出版 2018)

【D】吉田企世子監修『旬の野菜の栄養事典――春夏秋冬おいしいクスリ』(エクスナレッジ 2016)

【E】五関正江監修『ビタミン・ミネラルがよくわかる本――上手にとって健康に!』(つちや書店 2023)

【F】公益財団法人 長寿科学振興財団Web「健康長寿ネット(ビタミンAの働きと1日の摂取量)」

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