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最古のスパイス「シナモン」の健康効果とは?――摂取するときの適量や注意点

最古のスパイス「シナモン」の健康効果とは?――摂取するときの適量や注意点

ふんわりとした甘い香りと独特な香ばしさをもつスパイス「シナモン」。料理はもちろんのこと、アップルパイやトーストにもよく使われますよね。シナモンパウダーをコーヒーや紅茶など飲みものに加えると、また違った味や香りが楽しめます。このシナモン、実は世界最古のスパイスの一種なんです。シナモンを摂ることで私たちの体にどのような効果があるのか見ていきましょう。

 

  1. 古くから各地で用いられたスパイス「シナモン」
  2. シナモンに期待できる効果とは?
  3. シナモンを効果的に摂取するには?
  4. よくある質問
  5. 適量を守りながら日々の暮らしに

 

古くから各地で用いられたスパイス「シナモン」

地球上には数多くのスパイスがあります。そのなかでもシナモンは、もっとも古くから使われているスパイスの一つです。昔から香辛料や薬用として広く用いられてきたんです。
シナモンはクスノキ科の常緑樹で、その樹皮からつくられるものです。樹皮を薄くむいて天日で乾燥させ、粉末状にしたものがシナモンパウダーで、樹皮をそのまま丸めて乾燥させたものがシナモンスティックです。シナモンの原産地はスリランカ。今も同国の中心都市・コロンボの平野部に生育しているそうです。日本では弥生時代にあたる紀元前2700年には、すでに中国で「桂」としてシナモンが知られていました。そして紀元前1500年ごろに古代エジプトへ伝わったとされています。古代エジプトでシナモンは遺体の防腐処理にも用いられていたそうですよ。 シナモンが日本に伝わったのは8世紀前半のこと。正倉院には「桂心(けいしん)」という名称で、「薬物」用途として奉納されています。

「セイロンシナモン」と「カシア(チャイニーズシナモン)」

シナモンには、大別して2つの種類があります。「セイロンシナモン」と「カシア(チャイニーズシナモン)」です。先に説明したのは主にセイロンシナモンで、カシアは原産地がインド北部、ミャンマー、インドネシアとなります。ヨーロッパではセイロンシナモンとカシアは区分けされていて、カシアは「シナモンの近縁」という位置づけです。そして、カシアの味はセイロンシナモンほど繊細ではないと評価されているようです。
ただし、いずれのシナモンも中国やインド、イランなどさまざまな地域で伝統的な医学に生薬として用いられてきました。例えば漢方では「桂皮(けいひ)」と呼ばれ、中国産やベトナム産のものが使われています。

 

セイロンシナモンとカシアの主な特徴

原産地 樹皮 香り
セイロンシナモン スリランカ カシアよりも細くて若い幹を収穫するので樹皮が薄い 甘い香りと爽やかな風味をもち、カシアより高級とされる
カシア インド北部
ミャンマー
インドネシア
セイロンシナモンよりも樹皮が分厚くてザラザラしている 辛味があり、セイロンシナモンほど繊細ではない

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シナモンに期待できる効果とは?

スパイスにはさまざまな効果が期待できるものが数多くあり、シナモンも例外ではありません。かつてシナモンは肉の保存料として用いられていましたが、それはシナモンには微生物の増殖を抑える働きがあるからです。人に対しては、胃や腸の働きを向上させ、冷え性を予防する効果がシナモンにあるとされています。また、漢方で用いられるカシアは発汗や解熱、体の痛みを和らげるといった効果が見込まれるそうです。シナモンによる効果を見ていきましょう。

血行を促して胃や腸の機能も回復

シナモンの香りのもととなる成分は「シンナムアルデヒド」です。シンナムアルデヒドは毛細血管を強化する物質を活性化させる効果があり、毛細血管を修復することで体内の血行がスムーズになります。冷え性を改善する効果が見込めるうえ、さらに血行がよくなることで胃や腸の機能を回復させることも期待されています。

抗酸化作用から見込まれる効果

シナモンは、赤ワインが含むポリフェノールの主成分「プロアントシアニジン」を含んでいます。プロアントシアニジンは、病気を招き老化を早める原因ともなる活性酸素を消去する抗酸化作用があるとされているので、老化やがん、生活習慣病の予防につながることが期待されます。また、活性酸素を除去することによって、間接的に肌や髪質などの改善効果も見込まれています。

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シナモンを効果的に摂取するには?

シナモンを摂取すると血行がよくなるため、冷えや肩こり、月経などに悩まされている女性には特におすすめです。また、シナモンの抗酸化作用によって肌の老化を遅らせ、髪質が改善するなどが期待できるのであれば、美容を大事にしている女性にとってよい話ですよね。適切な摂取量などを知って、シナモンを効果的に摂るようにしましょう!

大量に摂るとよくない影響も

スパイスは体によい効果があるといわれていますが、過剰に摂取すると逆によくないことが起こります。シナモンも同様で、1日あたりの摂取量は「0.6~2g程度」が適量とされています。できればティースプーン1/2程度(0.5g)の摂取に留めてください。それ以上摂ると、肝臓に悪い影響を及ぼす可能性があります。これはシナモンの香り成分の一つ「クマリン」に肝毒性があるからです。一般的にクマリンはセイロンシナモンよりもカシアの方が多く含むといわれています。
また、アレルギーにも気をつけてください。卵や牛乳、そば、甲殻類などにアレルギー反応を起こす人がいますが、それと同じようにシナモンにもアレルギー体質の人が存在します。また、シナモンは子宮に対して刺激性が強いため、妊娠中の人も注意した方がよいそうですよ。

コーヒーや紅茶に用いて違う風味を

シナモンを日々の暮らしに取り入れるには、飲みものや料理に使いながら摂ることがオススメです!
コーヒーや紅茶が好きな人は多いはずなので、それらを飲む際にシナモンパウダーを加えたり、シナモンスティックを短く切って使ったりするとよいでしょう。でも毎回品物を加えるのではなく、1日にコーヒーを数杯飲む人ならそのうち1杯にするなど、摂取しすぎない工夫は必要ですね。
シナモンの香りは肉のくさみをやわらげるため、肉料理に使う人もいます。また、シナモンをはじめとする香辛料を数種組み合わせてスパイスカレーをつくってもよいですよ。

摂取タイミングと続けるコツ

シナモンを摂取する時間帯は特にないようですが、定期的に摂りたいのならば、習慣化しやすい朝食が向いているようです。先ほどお伝えしたコーヒーや紅茶以外にも、毎朝トーストやヨーグルトなど決まったものを食べる習慣があるならば、それらにパウダーシナモンを振りかけるとシナモンの香りが楽しめます。習慣化することで、シナモンによる効果が期待できるはずです。

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よくある質問

シナモンは1日にどのくらい摂取できますか?

摂取する量としては「小さじ2分の1程度」を目安にしてください。スパイスとして摂る程度の少量でしたら毎日摂っても大丈夫ですが、シナモンをカプセル化するなどサプリメントを摂る場合は多量になりがちですので、くれぐれも慎重に摂取してください。

シナモンを摂りすぎるとどんな副作用がありますか?

スパイスとして使う分には問題ありませんが、サプリメントとして大量かつ長期間にわたって摂取すると、副作用として胃腸障害や肝障害、アレルギー反応が生じるといわれています。また、妊娠中または授乳中の母親への安全性もまだ確認できていないので十分ご注意ください。

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適量を守りながら日々の暮らしに

シナモンは、太古から国や地域を越えて運ばれ、さまざまな方法で用いられてきました。身近なスパイスでありながら、シナモンは大きく分けて2種類あること、漢方としての歴史も長いことなど知らない面も多いんです。シナモンには現代の科学ではまだ解き明かされていない効果や効能もありそうですので、これからも注目ですね。適量を守りながら、積極的に摂るようにしましょう!

 

 

 

 

<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書物等の一覧>

 

【A】フレッド・ツァラ著『「食」の図書館 スパイスの歴史』(原書房 2014)

【B】丁 宗鐵編著『スパイス百科―起源から効能、利用法まで―』(丸善出版 2018)

【C】特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会Web「メディカルハーブ辞典|シナモンの植物学と栽培」

【D】厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』海外の情報「シナモン」

【E】特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会Web「ハーブのある暮らし|セイロンシナモン:冷えに役立つハーブを学ぶ」

【F】公益財団法人 長寿科学振興財団Web「抗酸化による老化防止の効果」

Mousavi SM, Rahmani J, Kord-Varkaneh H, et al. Cinnamon supplementation positively affects obesity: a systematic review and dose-reponse meta-analysis of randomized controlled trials.Clinical Nutrition.2020;39(1):123-133.

【H】内閣府 食品安全委員会「食品安全関係情報詳細」台湾衛生福利部国民健康署(シナモンの喫食と血糖値の低下に関するQ&A)

【I】岩崎由美子,田端節子,飯田健司,他「シナモン含有食品のクマリン分析法及び実態調査」東京都健康安全研究センター研究年報 / 東京都健康安全研究センター 編 (59), 143-148, 2008

【J】内閣府 食品安全委員会「食品安全関係情報詳細」ドイツ連邦リスク評価研究所(高濃度でクマリンを含有するシナニッケイ[別名カシアシナモン]に関して節度ある摂取を推奨)

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