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あずきの食物繊維を徹底解剖!

あずきの食物繊維を徹底解剖!

日本人にとってなじみ深い食材であるあずき。その歴史は古く、『古事記』にあずきが五穀の一つとして登場し、縄文遺跡からも見つかっているようです。また、あずきが昔から祝い席の料理に使われることが多いのは、赤い色に魔除けの力があると信じられていたから。しかもあずきには、日本人に不足しがちな食物繊維が豊富に含まれていることを知っていましたか? 今回は、あずきの食物繊維についてご紹介します。

 

※当サイト参照:食物繊維とは? 働きや種類、摂取量の目安、多く含む食品などを一挙紹介!

Fibee健康コラム

 

  1. 2つに大別される食物繊維。あずきにはどのくらい含まれる?
  2. あずきの食物繊維を効率よくとるには
  3. あずきの保存方法を知ろう
  4. あずきを活かした食生活を

2つに大別される食物繊維。あずきにはどのくらい含まれる?

食物繊維は人の消化酵素では分解されない物質で、小腸で消化・吸収されずに大腸まで届くのが特徴です。また、食物繊維は主に水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」とに大きく分けることができます。水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になり、不溶性食物繊維は水分を吸収します。これらは別々に存在しているわけではなく、水溶性と不溶性の食物繊維両方を含む食べものも多くあります。
【A】

 

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積極的にとりたい食物繊維たっぷりのあずき

あずきには水溶性、不溶性どちらの食物繊維も含まれています。食物繊維の総量でいうと、乾燥あずきには100g中15.3gの食物繊維が含まれ、うち水溶性が1.0g、不溶性が14.2gなので、あずきには不溶性食物繊維が特に豊富に含まれていることがわかります。
あずきの食物繊維をほかの食材と比較すると、一般的に食物繊維が豊富なイメージのあるごぼう(生)は5.7g(うち水溶性が2.3g、不溶性が3.4g)なので、あずきはごぼうの約2.5倍の食物繊維を含んでいることになります。食物繊維をたっぷり補うのに、あずきはとても適した食材なんです。
しかも、あずきを茹でるなど加熱した場合、あずきがもともと含んでいるでんぷんが「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」に変化するという報告もあります。レジスタントスターチは食物繊維の一種で、しかも他の食物繊維とは異なる健康への影響があるのではないかと注目されている成分です。
なお、厚生労働省が設定している1日あたりの食物繊維の目標摂取量は、18~64歳男性で21g以上、女性で18g以上。ところが日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年頃には1日あたり20gを超えていたものの、近年は14g前後と推定されています。これは穀類やいも類、豆類の摂取量が減っていることが理由のようです。あずきや豆類を意識して食事し、食物繊維はもちろんのこと、レジスタントスターチもしっかり摂り入れたいですね。さまざまな食材から積極的に食物繊維をとるためにも、下表を日々の食生活の参考にしてみましょう。(表1)【A】【B】

 

 

[表1]主な食品に含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維(g/可食部100g) 食物繊維総量
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
あずき(乾) 1.0 14.2 15.3
オートミール 3.2 6.2 9.4
納豆 2.3 4.4 6.7
モロヘイヤ(生) 1.3 4.6 5.9
ごぼう(生) 2.3 3.4 5.7
アボカド(生) 1.7 3.9 5.6
ライ麦パン - - 5.6
えだまめ(生) 0.4 4.6 5.0
生しいたけ 0.4 2.6 3.0
ほうれんそう(生) 0.7 2.1 2.8
かぼちゃ(生) 0.7 2.1 2.8
にんじん(生) 0.7 2.0 2.7
さつまいも(生) 0.9 1.9 2.8
青ピーマン(生) 0.6 2.1 2.7
れんこん(生) 0.2 1.8 2.0

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 炭水化物成分表 編 -利用可能炭水化物、糖アルコール、食物繊維及び有機酸-

 

 

あずきの食物繊維を効率よくとるには

あずきは、赤飯や野菜スープ、サラダなどの具に、また、砂糖を使って甘く調理すればおやつにぴったりのお汁粉やぜんざいとして楽しめます。ただ、調理・加工法によってあずきの食物繊維量は異なります。下の表を見ると、さらしあん(あずきを煮て皮を取り除き、乾燥させて粉末状にしたもの)や乾燥あずきの状態が食物繊維量は目立って多いですが、茹でたりあんなどにしたりすると、徐々に減っていく傾向にあります。
ただし、先ほどお伝えしたように、あずきを加熱するとレジスタントスターチが生成されるともいわれていますので、家庭で手軽に食べるなら、茹であずきが効率よく食物繊維をとることができそうですね。(表2)

 

 

[表2]あずきに関する食物繊維量の比較

食品名 食物繊維(g/可食部100g) 食物繊維総量
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
あずき さらしあん 1.0 25.8 26.8
あずき(乾) 1.0 14.2 15.3
あずき(茹で) 0.8 11.3 12.1
あずき こし生あん 0.3 6.5 6.8
あずき つぶし練りあん 0.5 5.2 5.7

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 炭水化物成分表 編 -利用可能炭水化物、糖アルコール、食物繊維及び有機酸-

 

 

 

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あずきを使ったおすすめレシピ

そこで、茹でたあずきとかぼちゃを炊き合わせてつくる料理「いとこ煮」のレシピをご紹介します。地域によっては、あずきにさつまいもやさといもを組み合わせるところも。手軽にできるので、ぜひおかずの1品に加えて食物繊維の摂取を意識してみてください。

 

レシピ:
いとこ煮

材料(4人分):

あずき(乾燥):60g~100g ※お好みで
かぼちゃ:300g
だし汁(鰹):500ml
砂糖:12g(小さじ4)
しょうゆ:24ml(小さじ4)

作り方:

1. あずきは水洗いし、鍋にたっぷりの水を入れて火にかける。煮立ったら茹で汁を一度捨てる(あずきに含まれるタンニン、サポニンなどの渋みやアクの成分を取り除くため)

2. 鍋に新しい水をたっぷり加え、再びあずきが煮立ったら火を弱めてやわらかくなるまで煮る

3. かぼちゃはところどころ皮をそぎ、一口大に切って面取りをする

4. 鍋にだし汁とかぼちゃを入れて火にかけ、煮立ったら弱火にして3~4分煮る

5. 砂糖、しょうゆで調味し、1のあずきを加えてかぼちゃがやわらかくなるまで煮れば完成

【B】【C】

レシピの詳細はこちら!

あずきと相性のよい組み合わせの食材

あずきを料理に活用する方法はさまざまあります。あずきと相性のよい代表的な食材が、いとこ煮のレシピからもわかるようにβ-カロテンを豊富に含んだかぼちゃです。同じく食物繊維が豊富なれんこんとの組み合わせも相乗効果が得られるでしょう。また、例えばミネストローネなど、洋風料理では豆とトマト、オリーブオイルの組み合わせは定番です。普段使っている豆を、食繊維の豊富なあずきに置き換えてみてはいかがですか? 【D】【E】

 

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あずきの保存方法を知ろう

あずきを長もちさせおいしく味わうには、適切な保存方法が大切です。乾燥豆であるあずきは「長もちしそう」と思われがちですが、湿気や高温、直射日光などの条件下では劣化を早める可能性があるので注意しましょう。以下に、あずきを保存する場合のポイントをまとめました。

【常温保存】湿気を避け風通しのよい場所で

常温保存の場合は密閉容器に入れ、直射日光や高温多湿を避けた風通しのよい場所で保存してください。湿気はあずきの大敵のため、保存容器に乾燥剤を入れることもおすすめです。保存期間は2週間~1カ月程度を目安に。なお、未開封の場合の乾燥あずきの保存期間は約1年といわれていますが、環境によっては劣化が進みやすくなるので早めに使いましょう。

【冷蔵保存】冷蔵庫内でもしっかり密閉を

冷蔵庫で保存する場合も、しっかり密閉できる容器に入れることが重要です。冷蔵保存は常温よりも鮮度や風味は長もちしますが、長期間保存しすぎると煮え方が悪くなってしまうため、やはり2週間~1カ月程度を目安に使い切りたいところです。

【冷凍保存】下茹でして小分け保存がおすすめ

あずきを冷凍保存する際は乾燥した状態ではなく、下茹でした状態で冷凍するのがおすすめです。食品用の保存袋などに小分けにして冷凍すれば、食べるときに必要な分だけ解凍できるので便利です。冷凍した場合は3ヵ月~半年を目安に保存がききますが、冷凍やけや匂い移りを防ぐためにも、早めの消費を心がけましょう。食べきれない場合は、あんこにして冷凍するのも一つの方法です。【D】【F】

あずきを活かした食生活を

食物繊維は魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれておらず、穀類や豆類、野菜類、きのこ類といった植物性食品に多く含まれています。豆類のあずきは、1食あたりの摂取量のなかに2~3gも食物繊維が含まれているそうです。日本人に不足しがちな食物繊維を補うためには、まずは1日あたりプラス3~4gを目標に、積極的に摂ることが求められています。しかもあずきは、食物繊維のほかにタンパク質やビタミンB群、ミネラル、ポリフェノールなどさまざまな食品成分をバランスよく含む食材です。スープや煮物、ときには和菓子など、毎日の食生活のなかにあずきを活かす習慣を取り入れたいですね。【A】

 

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<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書物等の一覧>

【A】食物繊維の必要性と健康 - e-ヘルスネット - 厚生労働省

【B】一般財団法人 日本健康文化振興会「健康サポート通信」

【C】公益財団法人 日本豆類協会「豆クッキング」

【Ⅾ】吉田企世子監修『春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養辞典 最新版』(株式会社エクスナレッジ)

【E】ホクレンGREEN WEB「北海道の旬素材」

【F】チバニアン兼業農学校 WEB「アズキの魅力と活用レシピ満載ガイド」

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