善玉菌の増やし方とは?多く含む食べ物やおすすめレシピを紹介

みなさん、健康的に毎日を過ごすためにはお腹の中の善玉菌がとても大切!と聞いたことがありませんか?
善玉菌は私たち人の健康と関係しあっている大切な体の一部ではありますが、目に見えない善玉菌をどうやって増やせばいいのか分からないと感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、善玉菌を増やす具体的な方法や、おすすめの食べ物、レシピを紹介していきます。腸内フローラを整えるためのヒントがたくさん詰まっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
腸内フローラを整えよう
みなさん、健康的な生活のカギは「腸内フローラ」にあるってことはもう知っていますよね。腸内フローラとは、お腹の中に住むたくさんの細菌たちの生態系のことで、そこには善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在しています。
この腸内細菌のうち、善玉菌を増やすことは健康のためにとても大切といわれています。
例えば善玉菌が増えると、体脂肪の蓄積が抑えられたり1)、栄養の吸収を良くしたり2)、免疫機能を維持したり3)することが期待できるといわれているんですよ。最近の研究では、「幸せホルモン」とも呼ばれている「セロトニン」という成分を体内で作ることにも影響しているみたいです。4)
腸内環境が悪くなると?
腸内環境の悪化は、私たちの健康に色々と影響することが分かってきています。
その主な原因には、食生活の乱れや運動不足、ストレスなどといわれているんです。例えば、発酵性食物繊維の不足は悪玉菌の増殖を招き、腸内フローラのバランスが乱れることに繋がるといわれています。これにより、腸内環境が悪くなっていき、腸のバリア機能が低下して、炎症が起きやすくなるんです。5)
そのほかにも次のような影響も知られています。
- 消化不良:便秘や下痢といった症状が現れ、食べ物の消化吸収が上手くいかなくなります。
- 免疫力の低下:アレルギー症状が悪化したり、感染症にかかりやすくなったりします。6)
- 精神的な不調:不安やうつ症状を引き起こしたり、ストレスが増え睡眠障害になったりする可能性があります。7)8)
- 肥満:代謝が悪くなり、脂肪が蓄積しやすくなります。9)また、インスリンの感受性が低下することで、糖尿病のリスクも増加します。10)
善玉菌の増やし方
善玉菌を増やすためには、バランスの取れた食生活が不可欠です。ここでは、善玉菌を増やすための具体的な方法を紹介します。
1:発酵性食物繊維をとる
発酵性食物繊維は食物繊維の中でも善玉菌のエサになる特別な食物繊維です。
善玉菌がエサとして発酵性食物繊維を食べて増殖が促され、腸内環境を整えることに繋がります。この発酵性食物繊維は全粒穀物(オーツ麦、玄米など)、野菜(トマト、オクラなど)、果物(アボカド、キウイなど)、豆類(大豆、あずきなど)、海藻類(昆布、わかめなど)に多く含まれていますよ。
2:オリゴ糖を含む食材をとる
オリゴ糖も広い意味で発酵性食物繊維に分類されることもある成分です。
オリゴ糖も腸にいる善玉菌のエサになることが知られているので、腸内環境を整えることに役立つといわれているんですよ。ハチミツ、玉ねぎ、アスパラガス、大豆製品などにオリゴ糖は多く含まれているので意識して食生活に取り入れてみてください。
3:発酵食品をとる
発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が豊富に含まれているのでこれらを直接摂取することも腸内フローラ整えるために大切ですよ。
善玉菌を増やすのに役立つレシピ
ここでは、善玉菌を増やすのに役立つ簡単で美味しいレシピを2つ紹介します。
レシピ1 アボカドとトマトのマリネ
□材料:
アボカド
トマト
クルミ
オリーブオイル
酢
□作り方:
1. アボカドとトマトは2cmの角切りにする。くるみは軽く砕く。
2. アボカドとトマトは、オリーブオイルと「カンタン酢」を加えて混ぜる。
3. 器に盛り付け、くるみを散らす。
レシピ2 ひじきと枝豆の中華サラダ
□材料:
ひじき (干し)
枝豆 (冷凍)
にんじん
紫玉ねぎ
ミツカン 味ぽん
ごま油
□作り方:
1. ひじきは水でもどしサッとゆでる。枝豆はパッケージの表記通りに解凍し、さやから取り出す。
2. にんじんは細切りにする。紫たまねぎは薄く切る。
3. 1.と2.と「味付けぽん酢」、ごま油を混ぜ合わせる。
まとめ:
腸内環境は私たち人の健康と密接に関係していることが分かってきているからだの一部。
腸内環境が乱れると腸内細菌のバランスが乱れる色々なからだの不調の原因になってしまうかもしれません。
その対策としては一番大切なことは規則正しい食生活を送ること!
<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書籍等の一覧>
1) Hidenori Shimizu et al. Regulation of host energy metabolism by gut microbiota-derived short-chain fatty acids, Glycative Stress esearch 2019; 6 (4): 181-191
2) D. R. Pandeya et al. Host-microbial interaction in the mam-malian intestine and their metabolic role inside, Biomedical Research 2012; 23 (1): 9–21
3) Zhao W et al. The gut microbiome in food allergy. Ann Allergy Asthma Immunol. 2019; 122 (3): 276-282.。
4) 尾畑 佑樹 腸内細菌による消化管神経回路の修飾 腸内細菌学雑誌 2022; 36: 21-27
5) M. S. Desai et al. A Dietary Fiber-Deprived Gut Microbiota Degrades the Colonic MucusBarrier and Enhances Pathogen Susceptibility. Cell 2016;167 1339-1353.
6) Shun Tanemoto et al. Intestinal immune response is regulated by gut microbe. Jpn. J. Clin. Immunol. 2017; 40 (6): 408~415
8) 入江潤一郎 睡眠と腸内細菌叢 腸内細菌学雑誌 2017; 31: 143-150
9) Bing-Nan Liu et al. Gut microbiota in obesity. World J Gastroenterol. 2021; 27 (25): 3837–3850
10) 坊内 良太郎 小川 佳宏 肥満・糖尿病と腸内細菌 日本内科学会雑誌 2015; 104 (1): 57-65