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体力をつけよう! 体力が落ちるリスクから運動の効果、摂るべき栄養まで徹底解説

体力をつけよう! 体力が落ちるリスクから運動の効果、摂るべき栄養まで徹底解説

「体力が落ちたなぁ」と感じることはありませんか? 久しぶりに運動したときだったり、仕事の疲れがなかなか抜けなかったりするときなど、ついぼやいてしまう人は少なくないと思います。

体力は大きく分けて2つあるといわれています。一つは「運動をするため」の体力で、もう一つは「健康に生活するため」の体力です。

ここでは体力を取り戻し、さらに向上させるために必要な運動や生活習慣、栄養などについて考えてみます。

 

  1. 一筋縄ではいかない「体力」づくり
  2. 体力をつけるために必要な3つの要素
  3. 体力をつけるために(1)「運動」
  4. 体力をつけるために(2)「栄養」
  5. 体力をつけるために(3)「休養(質のよい睡眠)」
  6. 湯船にしっかり浸かるとよいことばかり
  7. 体力をつけて充実した毎日を

一筋縄ではいかない「体力」づくり

体力とは、「人間として生存、生活するための基礎的能力」とされています。そのなかに身体的な要素と精神的な要素があり、さらに運動をするための体力が「行動体力」、そして健康に生活するための体力が「防衛体力」と呼ばれています。

行動体力は、走ったり飛んだりといった身体活動を積極的に行なうための体力で、健康を保つうえで大切とされています。

防衛体力は、体にもともと備わっている恒常性や適応性、免疫力などによってさまざまなストレスを軽減し、健康的な状態を維持するというものです。

ひと口に体力と言っても、身体的な要素と精神的な要素が絡み合っているので、なにか一つに気をつければよいというわけではなさそうですね。

【A】

 

 

体力をつけるために必要な3つの要素

体とこころの健康を保つために大事な要素は3つあるといわれています。それは、適度な「運動」、バランスのとれた「栄養・食生活」、心身の疲労回復と充実した人生をめざす「休養」です。

なにかしらの運動を続けながら、バランスのよい食生活を心がけ、十分な休養をとりつつストレスをうまくいなす――それが健康を保つためのコツであり、そのためには体力(行動体力+防衛体力)を維持あるいは向上させる必要があるといえます。

ここからは「運動」「栄養」「休養」の3つの要素を個別に見ていきましょう。

【B】

体力をつけるために(1)「運動」

体をよく動かす人、あるいは運動を定期的に行なっている人は、病気にかかりにくいうえ、メンタルヘルスや生活の質が高まることは広く知られています。特に歳を重ねてからは、歩くなど体を動かすことを日常的に心がけていると寝たきりなどになるリスクが減るとも言われています。

運動をすると、血流がよくなる、食欲が旺盛になる、腸の働きがよくなり、気分も晴れ晴れするといった効果が得られるそうです。

体とこころの健康を保つために、まずは適度な運動から取り組んでみませんか?

【C】【D】

関連リンク:
厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023』

有酸素運動と無酸素運動の違いとは?

運動には大きく分けて二つあります。長時間連続して行なう運動が「有酸素運動」で、短時間に力を強く使う運動が「無酸素運動」です。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどは有酸素運動で、短い距離を全力で走ったりバーベルなど重量のあるものを使う筋力トレーニングなどが無酸素運動です。

有酸素運動は、体脂肪の燃焼、呼吸循環器系の機能向上などが期待できるとされています。特にエネルギー源として内臓脂肪を用いるため、これを減らすことができるそうです。

無酸素運動は、大きな力を使ったり、速い動作を行なったりすることから、特に歳を重ねると衰えやすい速筋(白筋)を鍛えることができると推奨されています。

【E】【F】

体力をつけるのにおすすめの運動

さあ運動するぞ! そう意気込んでいきなり激しい運動をするのはケガのもとです。体を痛めたら体力が衰える要因となります。まずは次に挙げる軽めの運動からスタートし、続けられるようであれば徐々に負荷をかけることをおすすめします。

運動1「ウォーキング」

有酸素運動の代表格といえばウォーキングです。気が向いたらいつでもできますし、以前に比べるとメジャーな運動になりましたので一人で歩いていても奇異ではありません。上手な歩き方を紹介している書籍やWebサイトを参考にしながらやってみましょう。靴はウォーキング用のしっかりしたものを用意したいですね。

運動2「ストレッチング」

意図的に筋や関節を伸ばすストレッチングは、1970年代にアメリカで生まれました。家のなかで簡単にできますし、疲れやすくなった体を伸ばしてリラックスするにはうってつけです。関節の可動域を広げるためにも有効ですし、運動の前と後では行なうストレッチングも異なるので、ぜひいろいろ試してみてください。

運動3「筋力トレーニング」

筋力トレーニングと聞いて尻込みする人がいるかもしれませんが、バーベルや鉄アレイを使うだけではなく、例えば下半身を鍛えるためのスクワットやかかとをゆっくり上げ下げしてふくらはぎを鍛えるカーフレイズなど、自分の体重を利用する「自重トレーニング」も筋トレなんです。ウォーキングなどの有酸素運動と筋力トレーニングを併行するのはとても効果的といわれていますよ。

運動習慣を維持するためのコツ

三日坊主という言葉があるように、一つのことを長く続けるのはかなり難しいことです。しかし、先にご紹介したような運動はぜひ習慣化したいもの。そのコツの一つに記録をつけることが挙げられます。ウォーキングなら1週間歩いてみて、歩数や体重、自分が感じた体の変化などを記していくと励みになるはずです。

特に1回あたり30分以上つづけられる運動を週2回以上実施することが推奨されています。体力に少し自信がついたら、やってみたいなと思っていたスポーツに取り組むのもいいですよね。新たなチャレンジとそこから得られる小さな達成感の積み重ねは、きっと日々の暮らしを充実したものにするはずです。

体力をつけるために(2)「栄養」

栄養バランスのよい食生活は、体力を維持、向上させていくための基本です。一人ひとりの体力や体型などは千差万別ですので「こうすればいい」と正解をひと言で示すのは難しいですが、運動を続けていくならば、少なくとも運動のエネルギー源となる糖質や脂質、ビタミン、ミネラルには目を向けたいところです。

運動のときは体内に蓄えられているエネルギー源を用いて体を動かしています。ウォーキングなど軽い運動では糖質と脂質が消費されるそうです。また、短距離走など運動強度が高いスポーツでは前述したように速筋(白筋)が使われ、速筋は主に糖質をエネルギー源とするといわれています。

また、ビタミンやミネラルのうち、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、鉄については、特に運動時に体内での需要が増すそうですからしっかり摂取することを心がけたいですね。

体力をつけるのに適した食事のタイミング

運動の前後に摂っておくことを推奨されている栄養素がいくつかあります。

まずは運動前ですが、糖質を摂取することが望ましいそうです。それも運動を開始する3時間前には糖質を摂っておくべきといわれています。理由は、1時間から2時間では消化や吸収が間に合わないからです。ただし、脂質の多い炭水化物は消化・吸収に時間がかかるため摂らないように、という指摘もあります。

そして運動後は、まさに運動を終えた直後に糖質とたんぱく質を同時に摂ることが望ましいとされています。糖質だけを摂るよりも、糖質とたんぱく質を一緒に摂ることで、消費したエネルギーが早く回復するようです。

また、運動をする場合、エネルギー源や栄養素が偏っていたりバランスが崩れていたりすると、パフォーマンスが落ちるだけでなく、ケガのリスクを高めたり、疲労がなかなか回復しないといった悪影響を及ぼします。皆さんそれぞれが取り組む競技の特性などを踏まえて、運動の前後に摂るべき栄養を考えてみてください。

【I】【J】

 

 

体力をつけるために(3)「休養(質のよい睡眠)」

睡眠は、脳を休ませ、体とこころの疲労を回復させる大切なものです。深い眠りに入ると脳から成長ホルモンが分泌され、皮膚や筋肉、内臓などを修復するからです。

また、免疫細胞は睡眠中に活性化されるため、睡眠不足は免疫力の低下につながってしまいます。質のよい睡眠をとって、免疫力を高め、常に健康でいるのは体力を維持するうえで大切です。

快眠を実現する寝室づくりのポイント

睡眠の質を高めるポイントの一つに、「心地よく眠れる寝室を用意する」ことが挙げられます。

睡眠に理想的な寝室の温度は18~22℃、湿度は50~60%だそうです。ただし、夏と冬では外気温に差がありますので、夏は25~28℃、冬は15℃を推奨する人もいます。

そして、照明は暗めに設定。静かでリラックスできる環境にするため、二重サッシや厚手のカーテンなどで防音対策も欠かせません。

睡眠を妨げる困った存在が布団にこもる湿気。梅雨時などは布団乾燥機を使うなどして湿気対策も怠らないようにしたいですね。

睡眠の質を高める夜の過ごし方

睡眠時間には個人差があるものの、一般的には7時間から9時間眠ることが理想的とされています。「平日からそんなに眠る時間はとれないよ」という人も多いと思いますが、その場合は仕事や家事を終えてから眠るまでの過ごし方を工夫して、睡眠の質を高めるようにしましょう。

例えば、夕食後はスマートフォンやパソコンを使わないように心がけてみませんか。それはブルーライトを避けるためです。ご存じのように、ブルーライトは人間の目で見える光(可視光線)のなかでも強いエネルギーをもっていて、その光は網膜まで達するため、目や脳、そして体に負担をかけるのだそうです。

そして、朝起きたら必ずカーテンを開けて外の光を室内に取り込みましょう。光を浴びると体内時計がリセットされて、その日の夜の睡眠の質を高めることになるからです。

【K】【L】【M】

湯船にしっかり浸かるとよいことばかり

「ふだんはシャワーだけで過ごしている」という人もいると思いますが、ぜひ考え直してほしいのが「湯船に浸かること」です。

湯船にしっかり浸かると、体を温めることで血流がよくなるうえ、お湯の水圧によってむくみが解消され、浮力の作用で筋肉や関節が緩んで緊張がほぐれるそうです。また、蒸気を吸い込むことで鼻やのどの粘膜を潤し、免疫力を保つことができるといわれています。湯船に浸かるとホッとするので、リラックス効果も期待できます。

入浴は睡眠の質も高めるそうなので、なにかと気忙しい現代ですが、多少面倒くさくても浴槽に湯を溜めて、ゆったり浸かるようにしてくださいね。

体力をつけて充実した毎日を

男性と女性では、どちらかというと女性の方が身体活動は少ない傾向があるそうです。女性特有の妊娠・出産、育児といった要因のほか、介護の担い手となるケースが多いこともあって骨粗しょう症と関連があると推察されています。小学生と高校生も男子より女子の運動時間が不足しているという報告があります。

あらためて考えると、私たちは人間である前に動物でもあることに思い至ります。適度に運動して、バランスのよい食生活を送り、しっかり眠って休養をとる――そういう基本的なことを整えることが体力を維持し、充実した日々につながるのかもしれません。

【C】【O】

 

 

 

<執筆に利用した学術論文、総説・解説、書物等の一覧>

【A】公益財団法人 長寿科学振興財団Web「体力とは」

【B】厚生労働省『厚生白書』

【C】厚生労働省「健康日本21」(身体活動・運動)

【D】公益財団法人 長寿科学振興財団Web「高齢者の身体活動と運動」

【E】公益財団法人 長寿科学振興財団Web「トレーニング:有酸素運動とは」

【F】公益財団法人 長寿科学振興財団Web「トレーニング:無酸素運動とは」

【G】公益財団法人 健康・体力づくり事業財団Web「健康・体力づくりのための知識」

【H】公益財団法人 鳥取県保健事業団『みんなの健康』(2023年春号)

【I】竹並恵里監修『炭水化物の摂り方・選び方パーフェクト事典――糖質から食物繊維・甘味料成分まで』(ナツメ社 2022)

【J】五関正江監修『ビタミン・ミネラルがよくわかる本――上手にとって健康に!』(つちや書店 2023)

【K】季刊『こすもす』(東急不動産、東急リバブル 2009年春号)

【L】茨城県庁Web「免疫力を高めましょう!」

【M】ブルーライト研究会Web「ブルーライトとは」

【N】早坂信哉著『最高の入浴法――お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案』(大和書房 2018)

【O】ミツカン水の文化センター 機関誌『水の文化』74号特集「体に水チャージ」

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